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Nothing's gonna change my world.




頭の中に、いつも言葉が溢れている。


でも、自由にしてあげようとするとどこかへ消えてしまう。







“野田秀樹−演劇=   という数式があったとして、その答えはなんですか。”



これは、あるインタビュアーが野田秀樹さんに投げかけた質問。

それに対して、野田さんはこんな言葉を返していた。

「そういう計算式って成り立つのかなあ。
ゼロって答えると俺=演劇であり、
俺にとってのすべてが演劇ってことになるんだろうけど、
そういう思考じゃない気がする。

だって、

俺という存在よりも、演劇という世界の方が断然大きいと思うから。

自分だけのものじゃないからね、演劇って。」


この質問、とってもセンスがないと思う。
あなたから演劇をとったら何が残るんですかって聞いて、
演劇は俺にとっての全てだ!っていう答えを期待していたんだろうか。
なんて、意味のない質問なんだろうか。


野田さんはきっとそんな秤に演劇をのせたりしない。

いや、のせないで欲しいっていう勝手な私の願い。

もしも私が同じような質問を誰かにされたら何て答えるだろう。
たとえば、演劇の部分が“言葉”だったら?

私−言葉= 

なんておこがましい計算式なんだろう。
だって、私は言葉と肩を並べられるほど言葉を自由に使えていない。
“自由に使う”なんてこと自体おこがましいかもしれない。

うん、やっぱりこの質問はセンスがない。


私にとっての言葉なんて、そんなの分からない。
言葉はいつも私の中に溢れていて、
生まれて消えて、生まれて消えての繰り返し。
私はそれをうまく掴まえられない。うまく自分のものに出来ない。

どうして言葉なのかも分からない。
最初から言葉を選んでいた。

演じることの方が、人間の本能に近いような気もする。
メロディーに声をのせる方が、心に響くような気もする。
でも、私は言葉を選んだ。

いつもいつも、誰にも聞こえない声で喋りながら過ごしてきた。
二十年間、ずっと。


絶えず生まれて絶えず消える言葉。それは自分の一部。
だからもう一度得るために自分を削る。

その作業をしていると

どうしようもない不安と
どうしようもない高揚が

私の中にこみ上げてきてどろどろに混ざる。
でもそれは私を芯から暖めてくれる。



ほらね、ナンセンスな質問の答えを探そうとすると
こんな訳の分からないことを言ってしまう。



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