Tuesday, June 4, 2013


まだかえりたくないよと
少女が駄々をこねる頃

薄い牛乳の膜を
何層にも重ねた海に
桃色のヴェールがかかる

やがて 真ん中に確かな黄金色

崩れた黄身のふちから
溶けだす鮮やかな熱

そうして

 橙色の世界

カレーの匂いをのせて
日焼けした世界を冷やす風

ああ かえりたいなと
ビルの窓の外を眺めれば

海の向こうから
薄紫のまどろみ

すべての色は食べられる

光の輪がぽっかり浮かんで

ぽつりぽつり
光の粒が
 辿り着く頃

かえりたくないよと
少女が駄々をこねる

No comments:

Post a Comment