Skip to main content

街の光





私には、どこか知らない街に行ったときにいつも思い出す言葉がある。

「観光とは光を観ることです。町の輝きを感じて下さい。」


母の知り合いで、ニューヨークに住んでいる写真家の人が、私がニューヨークへ遊びに行ったときにメールでくれた言葉。


この言葉を貰ったときから、旅行に対する心構えのようなものが変わった気がする。

行きたかったお店が定休日でも、
時間がなくて行きたい所全てに行けなくても、
電車を乗り間違えてタイムロスしても、

街の光さえ感じられれば、それでいいんだって思うようになった。


ニューヨークなら、
エンパイアから見る、息が止まりそうな夜景。
朝のセントラルパークの草についた朝露。
空にひしめくネオン看板。
夜でも消えないピザ屋の灯り。


全部街の光。


今週、友達と二人で一泊二日の岩手旅行に行って来た。



往復の新感線の時間以外は宿も観光する所もノープランで出発した旅行。

疲れ果てて食べた冷麺が本当に美味しかったり、
電車乗り間違えて何もない山のふもとに降りたり、
ホテルの部屋でプリン食べたり、
地元の人に教えてもらったパン屋さんで朝ご飯食べたり、
最近のこと話したり、昔のこと話したり、

すごく楽しかった。


街はとても静かだった。東京よりずっと涼しくて、少し寒いほどだった。
でも出会う人みんな、とても暖かく接してくれて、これがこの街の光だって思った。



大好きな宮沢賢治の童話村にも行って来た。

私と同じ世代の子なら、
きっと国語の教科書で宮沢賢治の「やまなし」を読んだことがあるはず。
ストーリーは覚えてなくても、この言葉は覚えてるんじゃないかな。

「クラムボンはわらったよ。」
「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」


http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/46605_31178.html(ここで読めます)


宮沢賢治の言葉は
一文一文はシンプルに見えるのに、でもそれが幾つも繋がって
誰にも真似出来ない美しさのある文章になっている。

私なんかには語れないけど、でも綺麗だなって思う。

特に口に出して読んでみると、その響きの美しさに驚く。


童話村、また行きたいな。


宮沢賢治の本、読み直したくなった。
















Comments

Popular posts from this blog

意味

人間はとても勝手な生き物で、何に対しても「意味」を見出してしまう。起こる全てを都合よく正当化してしまうのだ。それは私も例外ではなく、自分の人生に起こること全てには意味があると思っている。なぜなら私は愚かな生き物だからだ。

大学最後の年に出会ったその人は、私に何度もこう言った。

「結末を正当化するのはやめろ。自分の望んだゴールに辿り着かなかったときに、これで良かったんだと正当化する奴は一番愚かだ。そういう人間は絶対に成功出来ない。成功する人間は望むゴールをしっかり見据えて、そこから論理的に逆算している。そうすれば自分が取るべき人生の選択が見えてくる。ゴールから逆算しろ。辿り着いた場所が自分の人生だと思うな。そんな大人になるな。」

22歳の私はまだ本当の社会を知らなくて、おまけに誰が見てもその人に心酔していたから、その言葉を真摯に自分の人生に組み込もうとした。それが仕事や課題ならよかった。締切のある仕事や短期間の目標に対して「逆算」はとても役に立つ。なぜならゴールが明確だから。けれどその人は「人生を死から逆算しろ」と言った。死なんて、いつ訪れるか知る由もないのに。だけどその考えに私は共感したし、その言葉に気付かされたことは多い。

そして卒業してもその考えを強く抱いていた私は、次第に思い描いたゴールと離れていく自分に対して「私は人生に失敗しているのかも」と暗く不安な気持ちを抱き始めた。そんな時、「いやいや、でも今は今で・・」と思いそうになれば、脳の中で「今を正当化するな」という言葉が聞こえてきて、その度、自分に言い訳をして今を正当化しようとする自分を弱くてずるい人間だと思った。私を奮い立たせていた勇気の言葉は、いつしか私を追い詰める呪いに変わっていた。私は自分がその人が蔑む「そっち側」の人間になってしまったのだと落ち込んだ。だからその人に何度「飲みに行こう」と言われても、今の自分に自信が持てずに、適当な理由をつけては断った。

今はどうかというと、もはや描いていた「社会人2年目の自分」がどんなものだったかもあまり覚えていない。この2年間、予想していないことばかりが起こった。気持ちも、世界の見え方も、毎日変わる。最低な1日があれば、最高な1日もあって、浮き沈みの激しい自分に苦しむ日々だ。全然満足いかない現状が、どうしようもなく嫌になったり、なんでもない休日の朝がどうしよう…