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映画館


人もまばらな映画館は淡く静かな夜のよう

スクリーンの白く気高い光は月

胸が詰まって涙が頬をつたっても誰も私を見ていないのが良い

映画館の中にひとり座るときだけが安心する





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5月とは思えないほど冷え込んだ朝に、私も季節違いの夢を見た。 懐かしい人の夢だった。 妙に冴えた起き抜けの頭で、あの日々を思い出していたら、出会ったときのその人の年齢を自分が数年前に超えてしまっていたことに気付いた。最後に渡した手紙を、今でも持っていてくれてるんだろうか。私はたった一言以外、何を書いたかは忘れてしまったけれど。