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2017年に起こってよかったこと。


「今年を漢字一文字で表したら疲労の「疲」しかない」
昨年末、友人や家族と1年を振り返るような話になったとき、私はそう言った。

いつも狂ったように「前向きでいたい!」と自分を鼓舞して生きている人間の私にとって、こんな発言を自らするのは本来屈辱的なはずだったけれど、私の心情はいたってフラットだった。

だって、疲れたのだから。

それはこの1年の否定でも肯定でもなくて、ただただ、私が抱える事実だった。

2017年の元旦の夜の私には未来への期待しかなかった。
「今年は絶対変わるんだ、毎日をキラキラさせて夢に邁進するんだ」
という炎のような野望を抱いて、それを燃料にしてやみくもに前へ前へと動いた。

元旦の日も、寝正月なんてするもんか、と「今から初詣行こうよ!」と日も暮れたころに地元の親友を呼び出して鶴岡八幡宮で初詣へ行った。人生で初めて書く絵馬には「人生を自分で切り開く」と書いた。それから夜遅くまで鎌倉のカフェで互いの近況と今年の抱負を語り合い、帰路につくころにはすっかり心のエンジンがかかっていた。

家までの道を月を見上げて歩きながら、ふと「今年の一曲を決めよう」とapple musicの曲をシャッフルした。シャッフルをタップして、間髪入れずに力強いピアノのイントロが流れた瞬間を、私は一生忘れないと思う。

その一音目は私の脳天を直撃して、脳と心を震わせた。

思わず立ち止まって目を見開き、息を飲むほどその曲との出会いは衝撃的だった。

「素晴らしく好きな曲に出会ってしまった」と思った。

その夜書いたブログも残っている。
2017年最初に書いたブログ

そもそも、その曲をダウンロードしたのは「スターウォーズ・ローグワン」を見に行った日本橋の映画館に貼ってあったポスターにやっぱり同じような衝撃を受けたからだった。

「何このポスター、好き!」と思って、サントラをダウンロードした。それを初めて聞いたのが元旦の夜だったのだ。

親友との楽しい会話の余韻と、リズミカルな美しい音色、空には月や星が輝いていて、元旦の夜の澄んだ空気からは幸福と希望の匂いしかしなかった。駆け出したいほどの高揚感を抱いて、私は「最高の夜だ、最高の1年にできる」と確信した。お酒も入ってなかったし、恋人とも別れたばかりだったけれど、最高に晴れやかな気分だった。

だから疲れたのだ。

まるで思い通りにはいかない1年だった。
挫折をする前にチャンスがふいに消えてなくなった。

初めて心の底から「楽しい」とやりがいを感じて運用していたサイトと、小かさいころからの夢だった「好きなことを書いてお金を稼ぐ」という夢の仕事は、心を開いて何でも話していた上司の突然の退社とともに消滅した。「私のようにコンプレックスに苦しんだ女の子の為に」と幾度も徹夜して一生懸命考えては書いていた記事、毎日少しずつ伸びていくアクセス数、記事を見た友達からの「すごく良い!」「少しぐっときて泣いてしまった」というLINE、そんな日々は、何の心の準備も出来ずに「404エラー」の画面に変わってしまった。何も残らなかった。とても悲しくて、大切なものをとられた喪失感で胸がいっぱいだったのに、泣くことも怒りを誰かにぶつけることもできず、代わりに私に求められたのは「次の上司を選ぶこと」それだけだった。

会社員である以上、私の書いたものも、私の居場所も、会社のものだった。「よくあることだよね」「それが会社だよね」「かわいそうだけど仕方ない」という言葉が針のように、私の心に刺さった。ひと刺し、またひと刺し、ふくふくと膨れていた心に小さな穴が沢山空いて、そこから希望ややる気や楽しさがするすると漏れていった。

もう辞めてしまおう、そう思ったのに、辞めることが出来なかった。家族や信頼できる友人に「次が決まっていないのに転職するのはリスキーかな」と相談をして、結局保険的な考えがストッパーになってしまったのだ。思えばあそこで辞めていれば、元旦に絵馬に書いた「人生を自分で切り開く」という願いが叶ったのかもしれない。それからずっと、私はもやがかかった毎日をもがきながら生きた。なんてことなない、という顔をしながら、心の中には沢山の毒キノコみたいな気持ちが日々育っていった。「こんな会社入るんじゃなかった」「結局勇気のない私には自分の人生を切り開くこともできない」毎日毎日、色んな後悔が頭と心をいっぱいにした。それでも目の前にはやりたくない仕事が積まれていて、心と身体をバラバラにして仕事に取り組んだ。

こんな風に書いていると、何も良いことがなかったようだけれど、そんな腐ったみたいな日々の中で私は今の恋人に出会って恋をして、恋人になった。辛い現実を見るのが嫌になって、恋に心の拠り所を求めた部分も少しあると思う。きっとそれは相手も同じだ。彼もやっぱり色んなことに巻き込まれて少し疲れていて、すごく孤独そうだった。

支離滅裂になりながら、今私が言いたいのは、「疲れてぐったりするほど、2017年を一生懸命生きた」ということだ。

元旦に心を躍らせて新年の抱負を大きく掲げたこと、それがボロボロに砕かれて、自分の未来と真っすぐ向き合ったこと。会社を辞めなかったこと、辞めれば良かったと後悔したこと、恋をしたこと、恋人と仕事を忘れて穏やかに過ごしたこと、沢山文句を言ったこと、感情の制御が効かなくなってしまったこと、それでも懲りずに豊かな生活を目指して試行錯誤して沢山の挫折をしたこと。


全部やってよかった。二度と起こるなと思うこともあるけれど、それが去年起こってよかった。目に見えない部分で沢山の気づきと成長があった。自分の勇気のなさや不甲斐なさを知れたことだって、大きな気づきだ。

恋に逃げたのも良かった。どこへ逃げたって、未来しかないと分かった。そこが居場所になった。でも彼をちゃんと愛し通すには私はもっと成熟した人間にならないといけない。それはきっと彼も同じで、私たちは心の拠り所からひとつ先のステップへ進もうとして、今色々と互いに未来というパンの種みたいなものをこねているところだ。

私は今年こそ仕事を辞めようと思う。次の仕事がすんなり見つかるように資格を取ったらすぐに辞めてしまおうと思う。辞めてから1ヶ月くらい海外へ行くのもいいなと思っている。彼はうんと寂しくて不安がるだろうけどそれは私も同じだし、「なんとでもなる」ではなくて「大丈夫にしていこう」って思える。


今私はこれをよりにもよって会社のデスクで書いている。実を言うと、今年は頑張ることから距離を置こうかなと少し思っていた。去年の頑張っても報われないという経験を経て、頑張ることや理想を掲げることに怖気づいてしまっていたのかもしれない。だけどやっぱり私は頑張りたい。去年散々疲れて少しは体力やメンタルも鍛えられたはずだから、もう一度自分と自分の未来に期待をしてみようと思う。きっとまだ大丈夫。また壁にぶつかって挫折してもいい。そしたらまたすぐ立ち直ればいいだけだ。
元旦の夜に聞いたあの歌を映画館で見たとき、それを歌っていたのは主人公たちではなくて名もない夢追う人々だった。去年の元旦、あのピアノのイントロに希望を重ねたように、力強くキーボードを叩く今の自分と、この高揚感を信じよう。




could be brabe or just insane
勇敢かもしれないし
ただ正気じゃないだけかもね
we'll have to see
やってみれば分かるよ

I'm reaching for the heights
そこまで行きたいから

And chaseing all the lights that shine
あの光を追いかけたい

And when they let you down
打ちのめされても

You'll get up off the fround
また立ち上がればいいだけ

Cause morning rolls around
毎日ちゃんと朝がくるから

and its another day of sun
昨日とはまるで違う今日がくるから


Comments

  1. あけましておめでとうございます。

    一気に読ませて頂いた。
    息止めて読んだ。
    高揚感。
    すぐに思い付く高揚感はこの曲です。
    https://youtu.be/HgzGwKwLmgM

    止まっちゃだめ。突き進むのみ。
    今更振り返ったところで、間違っていた事だけしか気が付かない。

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    Replies
    1. 遅くなりましたが、どうぞ今年も沢山の歌でこの小さなブログを彩ってもらえたら嬉しいです。止まらず、信じて頑張ります。

      Delete

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